増加し続ける医療費

日本の国民医療費は年々増加し、平成24年度で、39.2兆円の規模となっています。これがどれくらいの金額なのかというと、同年度の国家予算が90.3兆円ですから、その4割強に相当するわけです。税収の合計が42.3兆円。いかに莫大なお金が医療費につぎ込まれているかが分かります。

また国民医療費の伸びは国民所得の伸びを上回る伸びを示しており、特に老人医療費の伸びは著しいものとなっています。既に約10兆円を越え、医療費全体の1/3を占めています。そして年々その割合が上昇しているのです。

日本の急速な少子高齢化がこういう形で現れているのがわかります。

約4割が公費

平成24年度の国民医療費の財源構成はこのようになっています。

財源金額 (億円)構成比(%)
国民医療費392,117100.0
公費151,50038.6
保険料191,20348.8
その他49,41412.6
患者負担46,57911.9

国民医療費の約4割が公費、つまり税金で賄われています。
ですが、国家財政は危機的な状況にあり、今後増え続けていく医療費を支えていく余裕はありません。ですので、国を挙げて医療費削減を叫んでいるわけですが、そうは簡単にいかないのが実情です。
増え続けている老人医療費の約4割は「がん」「心臓疾患」「脳血管疾患」といった致命的な病気の治療に使われており、これを削るのは非常に困難でしょう。
また、ジェネリック医薬品の割合を増やしていく動きもありますが、薬に関する支出は医療費の約17%に過ぎないため、大きい削減効果は期待しづらいのです。

予防こそ最も削減効果が高い

国の財源は有限です。このまま国が医療費を負担し続けることは不可能です。致命的な疾患に対する医療レベルを確保しながら全体の医療費を減らすためには、一般的な医療サービスのレベルを著しく下げるか、国民全体の負担を増やすか、あるいはその両方とも受け容れるかといった選択肢が私たちに突きつけられているのです。

アメリカやヨーロッパ諸国同様、手術を受けられるのに半年待ちは当たり前という厳しい時代に、日本も突入していく日もそう遠くないかもしれません。

抜本的な医療費削減対策は、病気にならないことです。何かの健康法に偏り過ぎず、まずは食事や運動など、日常生活をバランス良く送ることを心がけましょう。